朝起きたら熱がある。そんなとき、ドイツでは誰に、いつまでに、何を出せばよいのでしょうか。日本の会社とは手順がかなり違うので、初めての冬は戸惑う方も多いはずです。

このニュースでは、ドイツで働く方に向けて、病気で休むときの今のルールを整理します。あわせて、政府が進めている「電話での診断書」の廃止の方針と、子どもの看病で休むときのルールも紹介します。手順を知っておけば、体調が悪い朝に慌てずに済むはずです。

休む日の朝にすること:まず会社に連絡

法律では、病気で働けないときは、すぐに会社に知らせる必要があります(賃金継続支払法 第5条)。どれくらい休む見込みかも伝えます。電話、メール、チャットなど、どの方法で連絡するかは、会社の決まりに従ってください。

医師の診断書(就労不能証明、Arbeitsunfähigkeitsbescheinigung)は、病気が3日を超えて続く場合、遅くとも4日目までに必要になります(同上)。ただし、会社は1日目から診断書を求めることもできます。労働契約や社内の決まりを確認しておきましょう。

診断書は「電子」で保険組合へ

2023年から、公的な健康保険に入っている人の診断書は、電子で扱われています(eAU)。医師が診断書のデータを保険組合に送り、会社はそのデータを保険組合から受け取ります。そのため、働く人が紙の診断書を会社に出す必要は、原則としてありません(TK)。

ただし、会社に休むことを知らせる義務は、そのまま残っています(同上)。「医師が送ってくれるから」と連絡を忘れないようにしましょう。民間の医療保険に入っている人などは、紙の診断書が必要な場合があります。

病気で休む朝は、すぐに会社に連絡し、3日を超えて続く場合は遅くとも4日目までに医師の診断書が必要で、公的保険の人の診断書は医師から保険組合へ電子で送られることを示した図
図解:J-Connect。賃金継続支払法とTKの資料に基づく(2026年10月29日参照)。

電話での診断書:今は使えるが、廃止の方針

今のルールでは、軽い病気なら、診察室に行かずに電話で診断書をもらえることがあります。期間は最大5日間です(連邦政府)。ただし、電話での診断書をもらう権利があるわけではなく、医師の判断になります。延長するときは、原則として診察室に行く必要があります。

一方、政府の連立与党は2026年7月2日、電話での診断書をやめ、病気の1日目から診断書を出すことを義務にする方針で合意しました(連邦政府:連立委員会の決定)。ビデオ診療での診断書は、引き続き認める考えです。

連邦政府は、新しいルールが実施されるまでは、今のルールが続くとしています(連邦政府)。J-Connectが2026年10月29日時点で確認した範囲では、新しいルールがいつから始まるかは、まだ示されていません。医師の団体(KBV)は、診療所の負担が増えるとして強く批判しています(KBV)。

給与はどうなる?

病気で休んでいる間も、会社は最大6週間、給与を払い続けます(賃金継続支払)。6週間を超えて同じ病気で休む場合は、公的な健康保険から傷病手当(Krankengeld)が出ます。

子どもの看病で休むとき

子どもが病気になり、看病のために仕事を休む場合は、公的な健康保険から「子どもの看病手当(Kinderkrankengeld)」が出ます。TKによると、2026年のルールは次のとおりです(TK)。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

対象日数(1年あたり)
親1人あたり、子ども1人につき15日(働く日で数える)
子どもが複数いる場合の親1人あたりの上限35日
ひとり親の場合、子ども1人につき30日
ひとり親で子どもが複数いる場合の上限70日

対象になるのは、原則として12歳未満の子どもで、親と子どもが公的な健康保険に入っていることが条件です。手当は、失った手取りの給与の原則90%です(同上)。子どもの看病のための証明も、条件を満たせば電話でもらえることがあります。

子どもの看病手当は、親1人につき子ども1人あたり年15日、子どもが複数なら上限35日、ひとり親は子ども1人あたり30日で上限70日、対象は原則12歳未満の子どもであることを示した図
図解:J-Connect。TKの資料に基づく(2026年10月29日参照)。

いざというときのために

  1. 会社の連絡方法を確認しておく:誰に、どの方法で、何時までに連絡するかを、元気なうちに確認しておきましょう。
  2. かかりつけ医を決めておく:電話での診断書も、多くは通っている医院が対象です。まだかかりつけ医がいない方は「ドイツで病院を予約する方法」を参考にしてください。
  3. 夜間・休日は116 117:医院が閉まっている時間の急ぎの相談は、医療相談の番号116 117に電話できます。命に関わる緊急時は112です。

冬の感染症の予防については「インフルエンザとコロナのワクチン、誰が受ける?」もあわせてどうぞ。

参考情報(2026年10月29日参照)

本記事は2026年10月29日時点の公開情報をもとにした一般的な情報です。会社ごとの決まりや労働契約によって扱いが異なる場合があります。

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