ドイツで体調を崩したときは、症状の緊急度と診療時間によって相談先が変わります。この記事は、ドイツで暮らす日本語話者が「まずどこへ連絡するか」を判断し、医師探し、予約、受診、処方までの流れをつかむための案内です。読み終えると、かかりつけ医、専門医、時間外診療、救急を使い分けられるようになります。

緊急時: 意識障害、強い胸痛、重い呼吸困難、大量出血、重大な事故など、命や重い後遺症に関わる可能性がある場合は 112 へ連絡してください。この記事を読んで自己判断を続けないでください。

まず知っておきたい医療の入口

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

状況主な相談先考え方
発熱、咳、腹痛、持病など日常的な不調かかりつけ医最初の診察、処方、必要なら専門医への紹介
皮膚、目、耳、整形など特定分野の症状専門医直接予約できる場合と紹介状が必要な場合がある
夜間・休日で、翌日まで待ちにくいが命の危険はない116117近くの時間外診療や受診先を案内
命に関わる、または重い後遺症のおそれがある112・救急外来救急搬送や緊急治療
薬の飲み方や市販薬の相談薬局処方薬の受け取り、服用方法、相互作用の確認

ドイツ語の正式名称は、かかりつけ医が Hausarzt、専門医が Facharzt です。医師検索で必要になるため初出だけ覚えれば十分で、以降は日本語で考えて構いません。

ドイツの診療所で受付に健康保険証を提示する日本人の患者
AI生成の編集イメージ。実在の診療所、患者、職員ではありません。

かかりつけ医が担うこと

かかりつけ医は、日本の「近所の内科」より少し広い役割を持ちます。体調不良の最初の診察、慢性疾患の継続管理、薬の処方、病欠の証明、必要な検査や専門医への紹介をまとめて担うためです。

登録制で一人に固定されるわけではありませんが、同じ診療所に継続して通うと、過去の検査や服薬を踏まえて相談しやすくなります。何科に行くべきか分からないときも、まずかかりつけ医に相談すると次の行動を決めやすくなります。

専門医と紹介状

皮膚科、眼科、整形外科、耳鼻咽喉科、婦人科などは専門医が診ます。診療科によっては直接予約できますが、検査内容や保険契約によって、かかりつけ医の紹介状(正式名称 Überweisung)や予約仲介用のコードが必要です。

「ドイツでは必ず紹介状が必要」「紹介状さえあればすぐ診てもらえる」のどちらも正確ではありません。候補の診療所を見つけたら、紹介状の要否、新規患者の受け付け、保険の種類、最短の予約日を確認します。

医師の探し方

最初に使いやすいのは、連邦保健省の医師検索と、全国共通の患者サービス 116117 です。郵便番号、診療分野、対応言語、バリアフリーなどで候補を絞れます。加入中の健康保険会社が独自の検索・予約支援を提供していることもあります。

候補が決まったら、地図アプリだけでなく診療所の公式サイトを見ます。確認したいのは、次の四点です。

  • 新規患者を受け付けているか
  • 公的保険と民間保険のどちらに対応するか
  • 予約制か、急な症状を診る時間帯があるか
  • 休診日と、その期間の代診先

対応言語に英語が書かれていなくても、予約時に確認すると対応できる医師がいる場合があります。日本語対応だけを条件にすると候補が極端に少なくなるため、通訳できる知人の同伴や翻訳メモも選択肢に入れます。

予約で伝える内容

予約では長い説明より、判断に必要な情報を短くまとめる方が伝わります。

  1. 初診か再診か
  2. 公的保険か民間保険か
  3. 主な症状と始まった時期
  4. 症状の強さや急な悪化の有無
  5. 紹介状や予約コードの有無

電話やメールで使う表現は、病院予約で使う言葉にまとめています。予約前に日本語で五項目を書き出し、必要な部分だけ翻訳すると、症状の伝え漏れを減らせます。

116117と112の違い

116117は、通常の診療時間外に急に体調を崩したものの、命の危険はない場合の相談先です。近くの時間外診療所や往診の案内、医師検索、一定条件での予約支援を扱います。電話サービスは原則としてドイツ語なので、住所、症状、発症時期、健康保険の種類を手元に書いておくと安心です。

112は救急車・消防の緊急番号です。迷ったときは、症状が命に関わる可能性、急速な悪化、意識や呼吸への影響を基準にします。通常の診療で対応できる症状に救急外来を使うと、重症者が優先され、長く待つことがあります。

受診日に必要なもの

基本は、電子健康保険証、身分証明書、紹介状が必要ならその原本です。加えて、服用中の薬、アレルギー、過去の検査結果、症状が始まった日を一枚にまとめると診察が進みやすくなります。

健康保険の加入から受診までの関係を示す図
立場に合う保険を確認し、保険資格を用意して受診します。

保険証がまだ届いていない、紛失した、読み取れない場合は、受診前に保険会社へ連絡して加入証明の送付方法を確認します。保険に入っていても、診療所側で資格を確認できなければ、いったん請求を受ける場合があります。

診察中に確認したいこと

診断名をすべて聞き取れなくても、次の四点を確認できれば、帰宅後の行動が明確になります。

  • 薬をいつ、どの量、何日使うか
  • どの症状が出たら再連絡・救急受診するか
  • 再診、検査、専門医の予約が必要か
  • 仕事、運転、運動を控える必要があるか

公的保険の対象外となる任意の検査やサービスを提案されたら、必要性、費用、代替手段を聞いてから決めます。緊急でない限り、その場で即決する必要はありません。

処方と病欠の扱い

公的保険の処方薬は、原則として電子処方箋で出されます。健康保険証、公式アプリ、または診療所でもらう紙の控えを使って薬局で受け取れます。薬がない場合は、取り寄せか同等品かを薬剤師に確認します。

医師が就労不能と判断すると、電子の病欠証明が健康保険を通じて雇用主へ提供される仕組みがあります。ただし、本人が勤務先へ欠勤と見込み期間を速やかに連絡する義務まで自動化されたわけではありません。民間保険や技術障害などでは紙が必要な場合もあるため、診療所と勤務先の案内を確認してください。

受診後に残す記録

薬の名前と用量、次回予約、紹介先、支払った費用、悪化時の連絡先を一か所に残します。検査結果や診療情報の書面を受け取ったら、日付と診療科が分かる形で保管します。

医療制度の言葉を覚えることより、自分の症状と次の行動を正確に共有できることが大切です。予約の表現に不安があるときは病院・薬局で使うドイツ語を併用してください。

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公式情報

医療機関の受付方法や保険の扱いは変わることがあります。受診時は、診療所、健康保険会社、連邦保健省の最新案内を優先してください。

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