ドイツの賃貸住宅では、家賃を払えば電気とインターネットが自動的に自分名義になるとは限りません。特に Strom(家庭用電力) は入居者が供給会社と契約するケースが多く、インターネットは物件で利用できる回線と開通時期を先に確認する必要があります。

この記事では、鍵の受け取りから請求開始までに何を記録し、どの契約条件を比べ、退去時に何を止めるかを実務順にまとめます。

2026年8月1日確認: 2025年6月6日以降、電力会社の技術的な切り替えは原則として平日24時間以内に処理できる仕組みになりました。ただし、Bundesnetzagenturは、これは既存契約の解約期限や新契約の開始条件を無効にするものではないと説明しています。「24時間で何でも解約・開通できる」という意味ではありません。

まず確認:家賃に何が含まれているか

契約前または入居前に、MietvertragとNebenkostenの内訳を確認します。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

項目よくある扱い確認する語
家庭用電気入居者が自分で契約することが多いStrom / Haushaltsstrom
暖房Nebenkostenに含まれる場合が多いが方式次第Heizung / Heizkosten
ガス暖房・給湯の個別契約か、建物一括かで異なるGas / Etagenheizung
水道Nebenkostenに含まれることが多いWasser / Abwasser
インターネット通常は入居者が契約Internet / DSL / Kabel / Glasfaser
テレビ個別契約か受信方法によるKabel-TV / TV-Anschluss
Rundfunkbeitrag家賃や通信契約とは別の世帯単位の負担Rundfunkbeitrag

Warmmieteだから家庭用電気もすべて込みとは限りません。契約書の記載が不明なら、大家・管理会社へ書面で確認します。

入居日に必ずすること

鍵の引き渡し時に、電気契約をまだ決めていなくても次を記録します。

ガスを個別契約する物件なら、ガスメーターも同様です。数字だけをメモするより、番号と数値が同じ写真に写るよう撮影すると、別住戸のメーターとの取り違えを減らせます。

StromのGrundversorgungとは

新居で別の電力契約を結ばずに電気を使い始めると、通常は地域の Grundversorger(基本供給事業者) との契約が行為によって成立します。Bundesnetzagenturは、照明をつけるなど電気を使用することでGrundversorgungが始まる場合があると説明しています。

ただし、何もしなくてよいという意味ではありません。

  1. 地域のGrundversorgerを確認する
  2. 入居日、氏名、住所、Zählernummer、Zählerstandを伝える
  3. 契約確認と料金表を保存する
  4. 別の料金プランへ移るなら、新契約の開始日を確認する

Grundversorgungを続ける場合でも、自分が新しい利用者であることを書面で通知します。基本供給契約は原則として2週間の予告で解約できるとBundesnetzagenturが案内していますが、実際の切り替え日は新会社との調整も確認してください。

電力プランを比べるポイント

月額表示だけでなく、次を同じ条件で比べます。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

項目意味見るポイント
Arbeitspreis使用量1kWhあたりの価格ct/kWh
Grundpreis使用量に関係なくかかる基本料金月額または年額
Abschlag毎月の見込み支払額最終料金ではなく前払い
Vertragslaufzeit最低契約期間何か月拘束されるか
Kündigungsfrist解約予告期間いつまでに通知するか
Preisgarantie価格保証何が保証対象外か
Bonus新規契約ボーナス条件、支払時期、2年目料金
Ökostrom再生可能エネルギー表示認証と料金条件

安い初年度料金だけで決めず、ボーナスなしの年間総額、2年目、解約条件を確認します。想定年間使用量が不明なら、世帯人数と住戸設備から控えめに見積もり、実際の使用量が分かった後にAbschlagを調整します。

2025年開始の「24時間切り替え」で注意すること

2025年6月6日から、電力市場の技術的な供給者変更は平日に24時間以内で処理できる仕組みになりました。

重要なのは次の区別です。

  • 技術的な切り替え時間が短くなった
  • 既存契約の最低期間・解約期限はそのまま確認が必要
  • 新会社への申込みが、旧会社への有効な解約を必ず代行するとは限らない
  • 入居日と契約開始日を曖昧にしない
  • ZählernummerとMaLo-IDを正確に伝える

MaLo-ID(Marktlokations-Identifikationsnummer)は請求書などに記載される供給地点の識別番号です。メーター番号とは別物です。分からない場合は、勝手に推測せず供給会社・ネットワーク事業者・管理会社へ確認します。

不審な営業電話・訪問に注意

電力会社の切り替えに必要な情報を使い、望まない契約を成立させようとする営業があります。

  • 身元不明の相手にZählernummer、MaLo-ID、顧客番号を伝えない
  • 「法律で今日中に切り替えが必要」などの説明をその場で信じない
  • 電話中にSMS認証やリンク承認をしない
  • 契約概要と料金表を受け取る前に同意しない
  • 公式サイトの連絡先へ自分からかけ直す

オンライン、電話、訪問販売で契約した場合は撤回権が適用されることがありますが、個別状況で起算日や例外があるため、早めにVerbraucherzentraleなどへ相談します。

インターネットは「住所で利用可能か」を先に調べる

同じ都市でも建物・住戸により、利用できる回線が異なります。

  • DSL / VDSL
  • Kabel
  • Glasfaser
  • Mobilfunk / 5Gホームルーター
  • 建物独自の回線

広告上の最大速度だけでなく、自分の正確な住所での提供可否を確認します。大家や前入居者が使っていた会社が、そのまま最適とは限りません。

契約前に確認する項目:

  • ダウンロード・アップロードの通常速度と最低速度
  • Mindestlaufzeit
  • Bereitstellungsentgelt(開通費)
  • Routerの購入・レンタル条件
  • Technikerterminの要否
  • 前の回線がまだ有効な場合の扱い
  • 工事が必要な場合の大家の許可
  • 開通までの代替接続
  • 引っ越し時の条件

通信契約の概要書を読む

電話・インターネットの事業者は、契約前に主要条件を分かりやすくまとめた Vertragszusammenfassung を提供する必要があります。少なくとも次を照合します。

  • 月額料金と値上がり時期
  • 初期費用
  • 契約期間
  • 解約期限
  • 速度
  • ルーター・端末の条件
  • 追加オプション

Bundesnetzagenturによると、通信契約の当初契約期間は24か月を超えてはならず、事業者は最大12か月の契約選択肢も提示する義務があります。当初期間後に自動延長された契約は、原則として1か月の予告期間で解約できます。

契約開始直後だけ安く、その後値上がりする料金では、通常料金での年間総額も計算してください。

開通工事の日に準備すること

Technikerterminが必要なら、次を確認します。

  • 時間帯と連絡先
  • 地下室・配線室へ入る鍵が必要か
  • Hausmeisterや大家の立ち会いが必要か
  • 部屋内の接続口の位置
  • 不在時の再予約費用

建物の設備室へ入れないと作業が完了しない場合があります。管理会社へ早めに連絡します。

開通後は、事業者が案内する方法で速度を測定し、結果を保存します。継続的に契約速度を大きく下回る場合は、Bundesnetzagenturの測定・苦情手順を確認します。

引っ越すとき:電気契約は自動終了しない

Bundesnetzagenturは、退去しただけではエネルギー契約は自動的に終わらないと明記しています。旧会社へ次を連絡します。

  • 退去日
  • 最終Zählerstand
  • Zählernummer
  • 新しい請求先住所
  • 契約を終了するか、新住所で継続するか

退去日のメーター写真とÜbergabeprotokollを保存します。旧住戸の契約終了確認と最終請求書が届くまで、顧客ページへアクセスできるようにしておきます。

インターネット契約を新居へ移す

現在の事業者へ、できるだけ早く新住所と引っ越し日を伝え、同じサービスを提供できるか確認します。

Bundesnetzagenturによると、事業者が新住所で契約どおりの通信サービスを提供できない場合、消費者には 1か月の予告期間による特別解約権 があります。単に別会社のほうが安い、引っ越しを機に変えたいという理由だけでは、この特別解約権の条件を満たすとは限りません。

確認すること:

  • 新住所で同じ速度・技術を提供できるか
  • 契約期間が引っ越しで再スタートしないか
  • Umzugsgebühr
  • 旧住所の停止日と新住所の開始日
  • Technikertermin
  • ルーター返却・交換

退去・入居の実務チェックリスト

入居前

鍵の受取日

入居後

退去前後

請求書で確認する項目

電気の年次請求では、次を照合します。

  • 請求期間
  • 開始・終了のZählerstand
  • 実測値か推計値か
  • 使用量kWh
  • 既に払ったAbschlag
  • 追加請求または返金
  • 次年度のAbschlag
  • 契約・解約期限

推計値が実際と大きく違う場合は、写真とÜbergabeprotokollを添えて書面で訂正を求めます。

問い合わせに使うドイツ語

電気・インターネット会社へのメールと電話表現は、契約・開通・解約で使うドイツ語にまとめています。

最低限、次の語を区別できると便利です。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

ドイツ語日本語
Zählernummerメーター番号
Zählerstand検針値
Grundversorger地域の基本供給事業者
Abschlag使用見込みに基づく月々の前払い
Jahresabrechnung年次精算
Vertragslaufzeit契約期間
Kündigungsfrist解約予告期間
Anschluss / Freischaltung回線・開通
Störung障害・不具合
Vertragszusammenfassung契約条件の概要書

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公式情報・参考ソース

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