ドイツで会社員として働いていると、所得税は毎月の給与から天引きされます。それでも、確定申告を出すと、払いすぎた税金が戻ってくることがあります。

このニュースでは、ドイツで働く方に向けて、「自分から出す確定申告」の期限を整理します。2022年分の申告は2026年12月31日が最後のチャンスです。どんな人に税金が戻りやすいのか、年末までに何をすればよいのかが分かれば、まだ間に合うかどうかを判断できるはずです。

何が期限なのか

ドイツでは、確定申告には「出す義務がある申告」と「自分から出す申告(任意の申告、Antragsveranlagung)」があります。

給与だけをもらっている会社員の多くは、申告の義務がありません。それでも自分から申告を出すと、税務署が1年分の税金を計算し直し、払いすぎた分を返してくれます。

NRW州の財務行政によると、自分から出す申告は、税金が発生した年から4年以内に出す必要があります(NRW州財務行政)。期限を過ぎると、払いすぎた税金を返してもらうことは、原則としてできなくなります(同上)。

そのため、2022年分の申告は、2026年12月31日までに税務署に届いている必要があります。ELSTERの案内によると、この期限は延長できません(ELSTER:2022年分の申告の手引き)。2026年12月31日は木曜日です。年末は郵便も混むので、オンラインのELSTERで出すのが確実です。

自分から出す確定申告は4年以内が期限で、2022年分は2026年12月31日、2023年分は2027年12月31日、2024年分は2028年12月31日、2025年分は2029年12月31日までという早見表
図解:J-Connect。NRW州財務行政とELSTERの資料に基づく(2026年10月29日参照)。

税金が戻りやすいのはこんな人

給与から天引きされる税金は、「1年間ずっと同じ給与で働く」前提で計算されています。そのため、次のような人は、申告すると税金が戻りやすくなります。

  1. 年の途中でドイツに来た、または日本に帰った人:ドイツで働いた期間が1年に満たないと、毎月の天引きが実際の税金より多くなりがちです。2022年の途中に赴任した方は、特に確認する価値があります。
  2. 年の途中で仕事が変わった、または仕事をしていない期間があった人
  3. 通勤の距離が長い人:通勤の費用などの「仕事のための費用」が、一律の控除額(2022年は1,200ユーロ)を超える場合は、超えた分を差し引けます。
  4. 在宅勤務をしていた人:在宅勤務の日数に応じた控除があります。
  5. 仕事のための引っ越しや、語学学校・資格の費用を自分で払った人
  6. 教会税を払っている人や、寄付をした人

逆に、申告した結果、税金を追加で払うことになる場合もあります。申告を出す前に、市販の税金計算ソフトやアプリで、戻るのか払うのかの見当をつけておくと安心です。

日本の収入があった年は注意

2022年に、日本とドイツの両方で収入があった方は注意が必要です。ドイツで税金がかからない日本の収入でも、ドイツの税率を決めるときに考慮されることがあります(累進の留保)。この場合、税金が戻るどころか、追加で払うことになる可能性もあります。

日本とドイツの両方に関係する申告は、税理士(Steuerberater)や、会社員向けの税金相談の団体に相談するのがおすすめです。

「申告の義務がある人」は別のルール

次のような人は、もともと申告の義務があることが多く、期限や遅れたときの扱いが違います(消費者センター)。

  • 夫婦で税の区分(Steuerklasse)を3と5の組み合わせにしている人
  • 給与のほかに、一定額を超える別の収入がある人
  • 失業手当や育児手当(Elterngeld)などを受け取った人

自分がどちらに当たるか分からない場合は、税の区分の仕組みを紹介した「ドイツの税番号と税の区分」もあわせて確認してください。

給与だけの会社員の多くは申告の義務がなく、自分から申告すると払いすぎた税金が戻ることがある一方、税の区分3と5の夫婦や別の収入がある人などは申告の義務があり、別のルールになることを示した図
図解:J-Connect。消費者センターなどの資料に基づく(2026年10月29日参照)。

12月31日に間に合わせる手順

  1. 2022年の源泉徴収票を探す:会社からもらう「給与と税の証明書(Lohnsteuerbescheinigung)」です。ELSTERにログインすると、データとして見られる場合もあります。
  2. ELSTERのアカウントを確認:初めて使う場合は、登録のための書類が郵便で届くまで、2週間ほどかかることがあります。11月中に登録を始めるのが安全です。
  3. 費用の記録を集める:通勤の距離と日数、在宅勤務の日数、仕事のための買い物の領収書などです。
  4. 12月31日までに送信する:ELSTERなら、夜でも送信できます。送信した控えは保存しておきましょう。

2023年分の申告は2027年12月31日まで出せます。まとめて2年分を出すこともできるので、この機会に確認してみてください。

参考情報(2026年10月29日参照)

本記事は公開情報をもとにした一般的な情報で、税務相談ではありません。個別の判断は、税理士や税金相談の団体にご相談ください。

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