年末が近づくと、ドイツでは「来年から何が変わるか」というニュースが増えます。この記事では、2027年1月1日前後に変わる制度のうち、ドイツで働く・暮らす日本人に関係が深いものを整理しました。

ただし、すでに決まっているものと、まだ政府案・法案の段階のものが混ざっています。本記事では各項目に状況を明記しています(2026年10月21日時点)。

まず結論:決定済み/未確定の早見表

最低賃金・ミニジョブ・ドイツチケットは決定済み、社会保険の上限は同意待ち、児童手当と控除は政府案であることを示す図
図解:J-Connect。本文の参考情報に基づく(2026年10月21日時点)。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

項目2026年2027年状況(2026年10月21日時点)
法定最低賃金(時給・額面)13.90ユーロ14.60ユーロ決定済み(政令で確定)
ミニジョブ上限(月額)603ユーロ633ユーロ最低賃金に連動して上昇
ドイツチケット(月額)63ユーロ66.80ユーロ交通大臣会議で決定と報道
公的医療・介護保険の保険料算定上限(月額)5,812.50ユーロ6,375ユーロ閣議決定済み・連邦参議院の同意待ち
年金・失業保険の保険料算定上限(月額)8,450ユーロ8,850ユーロ閣議決定済み・連邦参議院の同意待ち
公的医療保険の加入義務上限(年額)77,400ユーロ84,150ユーロ閣議決定済み・連邦参議院の同意待ち
児童手当 Kindergeld(子ども1人・月額)259ユーロ267ユーロ(案)政府案(未成立)
所得税の基礎控除 Grundfreibetrag12,348ユーロ12,564ユーロ(案)政府案(未成立)
被用者概算控除 Arbeitnehmer-Pauschbetrag1,230ユーロ1,430ユーロ(案)政府案(未成立)

以下、項目ごとに見ていきます。

1. 最低賃金が時給14.60ユーロに(決定済み)

2027年1月1日から、法定最低賃金は時給14.60ユーロ(額面=税・社会保険料を引く前の金額)になります。2026年の13.90ユーロから0.70ユーロの引き上げです。

これは2025年11月に公布された「第5次最低賃金調整令(Fünfte Mindestlohnanpassungsverordnung)」で、2026年分と2027年分がまとめて決まっています。法律上すでに確定しているため、今後変わる可能性は低い項目です。

在独日本人への影響

  • 日系企業の現地スタッフ、飲食店・小売のアルバイト、ワーキングホリデーで働く方は、時給がこの水準を下回っていないか確認しましょう。
  • 雇用主側の方は、1月分の給与計算で反映されているか事前にチェックが必要です。

2. ミニジョブの上限が月633ユーロに

ミニジョブ(Minijob)の月収上限は、法律で「最低賃金×週10時間相当」に連動する仕組みです。最低賃金の引き上げにより、2027年1月から月633ユーロ(2026年は603ユーロ)に上がります。

配偶者ビザで滞在しながらミニジョブで働いている方などは、上限が上がった分だけ勤務時間を増やせるかどうか、雇用主と相談する余地があります。

なお、雇用主が負担する一括税(Pauschsteuer)を2%から5%に上げる案が税制改正の政府案に含まれていますが、こちらは未成立です。

3. ドイツチケットは月66.80ユーロに値上げ

全国の近距離公共交通が乗り放題になる「ドイツチケット(Deutschlandticket)」は、2027年1月から月66.80ユーロ(現在63ユーロ)に値上げされると報じられています。年間では約45ユーロの負担増です。

報道によると、連邦州の交通大臣会議(Verkehrsministerkonferenz)が2026年9月末に決定しました。料金はコスト指数に基づいて算定する方式になっており、2028年以降も見直しが続く見込みです。

チェックポイント

  • サブスクリプション契約の場合、多くは自動で新料金に切り替わります。解約する場合は各交通事業者の締め切りを確認しましょう。
  • Deutsche Bahn(DB)から購入した既存契約は、2026年11月30日までに新料金への同意が必要です(10月15日以降に注文した契約は申込時に新料金の案内を受けているため、別の同意は不要とされています)。手順は「Deutschlandticketは2027年66.80ユーロへ|DB利用者は11月30日までに確認」で解説しています。
  • 会社のジョブチケット(Jobticket)経由で利用している方は、自己負担額が変わるか人事部に確認を。

4. 社会保険料の「算定上限」が上がる(高所得者ほど負担増)

社会保険料は、給与のうち一定額(保険料算定上限、Beitragsbemessungsgrenze)までにしか掛かりません。この上限が2027年に引き上げられる予定で、上限付近以上の給与を受け取っている方は手取りが減ります。

公的医療・介護保険と年金・失業保険の保険料算定上限を2026年と2027年で比べた棒グラフ
図解:J-Connect。2027年の値は閣議決定済み・連邦参議院の同意待ち(2026年10月21日時点)。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

項目2026年2027年(予定)
公的医療・介護保険(月額)5,812.50ユーロ6,375ユーロ
年金・失業保険(全国一律・月額)8,450ユーロ8,850ユーロ
公的医療保険の加入義務上限(年額)77,400ユーロ84,150ユーロ

連邦政府は2026年10月にこの「社会保険計算値令2027」を閣議決定しました。施行には連邦参議院(Bundesrat)の同意がまだ必要です。例年は大きな変更なく承認されています。

駐在員・現地採用の方へ

  • 年収が84,150ユーロを超えないと、公的医療保険(GKV)から民間医療保険(PKV)へ移れなくなります。2027年にPKVへの切り替えを検討している方は、この新しい基準額を前提に判断してください。
  • 医療保険の追加保険料率(Zusatzbeitrag)は保険組合ごとに決まり、2027年の水準は例年秋〜年末に発表されます。加入している保険組合からの通知を確認しましょう。

5. 児童手当・基礎控除の引き上げは「まだ案」

2027年に向けた所得税改革(Einkommensteuerreform 2027)の政府案が、2026年9月に閣議決定されました。主な内容は次のとおりです。

  • 児童手当(Kindergeld):子ども1人あたり月259ユーロ → 267ユーロ(2028年に272ユーロ)
  • 基礎控除(Grundfreibetrag):12,348ユーロ → 12,564ユーロ(2028年に12,900ユーロ)
  • 被用者概算控除(Arbeitnehmer-Pauschbetrag):1,230ユーロ → 1,430ユーロ
  • 家事・修理などの手工業者費用控除(Handwerkerbonus):控除率20%・上限1,200ユーロ → 15%・上限900ユーロに縮小

ただし、これらは連邦議会・連邦参議院で可決されるまで確定ではありません。金額や時期が変わる可能性があります。特に「Handwerkerbonus」は縮小方向の案なので、リフォームなどを予定している方は、成立状況を見ながら支払時期を検討するとよいでしょう。

成立した時点で、J-Connectでも続報をお届けします。

6. 2027年中のその他の変更

  • EU域内の現金払い上限(2027年7月10日〜):EUのマネーロンダリング対策規則により、事業者との取引で現金払いできるのは最大10,000ユーロまでになります。個人間の取引は対象外です。
  • 新しい私的年金制度:リースター年金(Riester-Rente)に代わり、ETFなどで運用できる国の補助付き「老後資産形成口座(Altersvorsorgedepot)」が2027年から始まる予定です。

まとめ:年末までにやっておきたいこと

  1. 給与明細を確認:最低賃金・ミニジョブ上限の変更が1月分の給与に反映されているか。
  2. ドイツチケットの契約を確認:値上げ後も継続するか、ジョブチケットの自己負担額はどう変わるか。
  3. 医療保険の通知をチェック:保険組合から届く2027年の追加保険料率のお知らせを見落とさない。
  4. 児童手当・税制は続報待ち:政府案の段階なので、成立を確認してから家計の計画に組み込む。

参考情報(2026年10月21日確認)

  • 連邦法務省「Fünfte Mindestlohnanpassungsverordnung(MiLoV5)」— gesetze-im-internet.de
  • 連邦政府「Beitragsbemessungsgrenzen 2027 – Im Kabinett beschlossen」(2026年10月12日)— bundesregierung.de
  • ドイツ年金保険(DRV)「Beitragsbemessungsgrenzen 2027 sollen steigen」(2026年10月8日)— deutsche-rentenversicherung.de
  • epd/Sonntagsblatt「Verkehrsminister: Deutschlandticket ab Januar 3,80 Euro teurer」(2026年9月30日)
  • NWB Experten-Blog「Update: Deutschlandticket wird ab 1.1.2027 teurer」(2026年10月3日)
  • Stuttgarter Zeitung「Rente, Kindergeld, Mindestlohn: Hier gibt es ab 2027 mehr Geld」(2026年10月15日)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法律上の助言ではありません。個別のケースは税理士(Steuerberater)や加入先の保険組合にご確認ください。

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本記事は生成AIで作成した日本語の生活解説です。速報や公式発表の代替ではありません。制度、交通、健康、安全に関わる判断は、自治体・交通機関・医療機関などの公式情報を確認してください。