残った有給休暇は年末で消える?|ドイツの休暇は「その年のうちに」が原則、3月末までの持ち越しと会社の通知義務
ドイツの法律では、有給休暇はその年のうちに取るのが原則で、特別な理由があるときだけ翌年3月31日まで持ち越せます。ただし、会社が休暇を取るよう促し、取らなければ消えることを知らせていなかった場合は、休暇は消えないと裁判所が判断しています。最低の日数、病気のときの扱い、退職のときの扱いを整理します。
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目次(7項目)
ドイツの職場では、秋になると「今年の休暇、あと何日残ってる?」という会話が増えます。年末が近づくと、残った休暇をクリスマス休暇にまとめて取る人も多くいます。
このコラムでは、ドイツで働く方に向けて、有給休暇(Urlaub)のルールを紹介します。休暇は何日あるのか、残った休暇は年末で消えてしまうのか、翌年に持ち越せるのはどんなときか。会社が知らせる義務や、病気のとき、退職のときの扱いも整理します。日本の感覚とは違う点が多いので、年末までに一度確認しておくと安心です。
最低でも年20日(週5日勤務の場合)
ドイツの連邦休暇法は、休暇の最低の日数を年24日と決めています。これは、月曜日から土曜日までの週6日で数えた日数です(連邦休暇法 第3条)。
週5日勤務の人に置き換えると、最低で年20日になります。実際には、労働契約や労働協約で、年25日から30日の休暇を決めている会社も多くあります。法律の最低の日数を超える部分は、契約の内容によってルールが違うことがあるので、自分の契約を確認しておきましょう。
原則は「その年のうちに取る」
連邦休暇法では、休暇はその年(1月1日から12月31日)のうちに取るのが原則です。翌年に持ち越せるのは、会社の仕事の事情や、本人の病気など、特別な理由がある場合だけです。その場合も、持ち越した休暇は翌年の3月31日までに取る必要があります(連邦休暇法 第7条)。
ただし、会社によっては、労働契約や社内の決まりで、もっと長く持ち越せるようにしていることもあります。
会社が知らせていなければ、休暇は消えない
ここが、多くの人が知らない大切なポイントです。
連邦労働裁判所は、法律で決められた最低の休暇は、会社が働く人に休暇を取るよう促し、取らなければ消えることをはっきり知らせていた場合にだけ、期限で消えると判断しています(連邦労働裁判所)。
つまり、会社が何も知らせていなかった場合、残った休暇は12月31日や3月31日を過ぎても、自動的には消えません。多くの会社が秋に「残りの休暇を取ってください」というメールを送るのは、この義務があるためです。
ただし、法律の最低の日数を超える休暇(契約や労働協約で上乗せされた分)については、契約や協約の決まりによって扱いが違うことがあります。
休暇中に病気になったら
休暇中に病気になり、医師の診断書がある場合は、その日数は休暇として数えられません(連邦休暇法 第9条)。休暇中でも、病気になったらすぐに会社に連絡し、診断書をもらいましょう。病気のときの連絡の方法は「ドイツで病気で仕事を休むときのルール」でまとめています。
長い病気で1年以上休暇を取れなかった場合は、休暇は翌年の3月31日を過ぎてもすぐには消えず、原則としてその年の終わりから15か月後に消えるとされています(連邦労働裁判所)。細かい扱いは個別の事情によるので、困ったときは専門家に相談してください。
退職するときは「お金」で清算
ドイツでは、残った休暇を、在職中にお金に替えることは原則としてできません。ただし、退職などで仕事が終わり、休暇を取れなかった場合は、残った休暇の分がお金で支払われます(連邦休暇法 第7条)。
退職が決まったら、まずは退職日までに残りの休暇を取れるかどうかを会社と相談するのが一般的です。退職の手続きは「ドイツで仕事を辞めるときの解約の期間」で紹介しています。
年末までにやっておきたいこと
- 残りの日数を確認する:給与明細や社内のシステムで、今年の残りの休暇を確認しましょう。
- 会社からの通知を読む:「残りの休暇は○月○日までに」という知らせが届いていないか確認します。
- 持ち越しのルールを確認する:労働契約や社内の決まりで、3月31日より長く持ち越せる場合もあります。
- 早めに申請する:クリスマスから年始は休暇を取りたい人が多い時期です。同僚と重ならないよう、早めに相談しましょう。
学校の休みに合わせて休暇を取りたい方は「NRWの学校休暇2026/27年度」も参考にしてください。
参考情報(2026年10月29日参照)
本記事は公開情報をもとにした一般的な情報で、法律相談ではありません。休暇のルールは労働契約や労働協約によって異なる場合があります。困ったときは、職場の従業員代表(Betriebsrat)や労働法の専門家にご相談ください。