ドイツで仕事を辞めるときの解約の期間|原則4週間、試用期間は2週間、退職届は「手書きの署名」が必要
ドイツで仕事を辞めるときや、会社から解雇を告げられたときには、法律で決められた「解約の期間」があります。原則は4週間で、試用期間中は2週間。会社から解約する場合は、勤めた年数が長いほど期間が長くなります。退職の通知は紙に手書きで署名して渡す必要があり、メールでは無効です。職業安定所への届け出の期限もあわせて整理します。
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目次(7項目)
転職が決まった、日本に帰ることになった、あるいは会社から突然、解雇を告げられた。仕事が終わるときには、いつまで働くのか、どんな手続きが必要なのかが気になります。
このコラムでは、ドイツで働く方に向けて、仕事を辞めるとき(解約するとき)のルールを紹介します。法律で決められた解約の期間、試用期間中の扱い、退職の通知を出すときの形式、そして仕事が終わる前に職業安定所に届け出る期限まで整理します。日本の会社とは違う点も多いので、いざというときのために知っておくと安心です。
解約の期間は原則「4週間」
ドイツの民法では、働く人も会社も、労働関係を4週間の期間を置いて、月の15日か月末に解約できると決めています(民法 第622条)。
たとえば、10月29日に退職の通知を出した場合、4週間後は11月26日です。この後で一番近い「15日か月末」は11月30日なので、11月30日付けで仕事が終わる計算になります。
ただし、労働契約や労働協約で、もっと長い期間(たとえば3か月)を決めていることがよくあります。まずは自分の労働契約を確認しましょう。
試用期間中は「2週間」
試用期間(Probezeit)中は、どちらからでも2週間の期間で解約できます。試用期間は最長6か月までです(民法 第622条)。この場合は、「15日か月末」に合わせる必要はありません。
会社から解約する場合は、勤めた年数で長くなる
会社から解約する場合は、働いた年数が長いほど、解約の期間が長くなります(民法 第622条)。
この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。
| 勤めた年数 | 会社から解約するときの期間 |
|---|---|
| 2年 | 1か月(月末付け) |
| 5年 | 2か月(月末付け) |
| 8年 | 3か月(月末付け) |
| 10年 | 4か月(月末付け) |
| 12年 | 5か月(月末付け) |
| 15年 | 6か月(月末付け) |
| 20年 | 7か月(月末付け) |
この長い期間は、法律では会社から解約する場合のものです。ただし、契約で、働く人から辞める場合の期間を会社より長くすることはできません(同上)。
退職の通知は「紙に手書きの署名」
ここは特に注意が必要です。労働関係の解約は、紙に書いて、自分で手書きの署名をした書面で出す必要があります(民法 第623条)。
メール、チャット、SMS、スキャンしたPDFでは、解約として認められません。会社から解約を告げられる場合も同じで、メールだけで届いた解雇の通知は無効です。
退職の通知を出すときは、
- 名前、日付、「労働関係を解約します」という内容、いつ付けで辞めるのかを書く
- 手書きで署名する
- 上司や人事に直接手渡しし、受け取ったことの署名をもらうか、届いたことが分かる方法で送る
のが確実です。
解雇を告げられたら「3週間」が大切
会社から解雇を告げられ、その解雇に納得できない場合は、解雇の通知を受け取ってから3週間以内に、労働裁判所に訴えを起こす必要があります(解雇保護法 第4条)。この期間を過ぎると、原則として解雇は有効なものとして扱われます。
解雇を告げられたら、まずは労働法の専門家(弁護士)や、加入していれば労働組合に早めに相談しましょう。
仕事が終わる前に、職業安定所へ届け出る
次の仕事が決まっていない場合は、職業安定所(Agentur für Arbeit)に求職者として届け出る必要があります。期限は次のとおりです(連邦雇用エージェンシー)。
- 仕事が終わる日が3か月以上先に分かっている場合:遅くとも3か月前まで
- 仕事が終わる日まで3か月ない場合:仕事が終わると分かってから3日以内
届け出が遅れると、失業手当が1週間止められること(Sperrzeit)があります(同上)。届け出はオンラインでもできます。
外国籍の人が気をつけたいこと
滞在許可が仕事と結びついている場合(EUブルーカードや、特定の仕事のための滞在許可など)は、仕事が変わったり終わったりすることで、滞在許可に影響が出ることがあります。転職や退職が決まったら、早めに外国人局(Ausländerbehörde)に確認しましょう。滞在許可の更新については「ドイツの滞在許可の更新」で紹介しています。
残っている有給休暇の扱いは「残った有給休暇は年末で消える?」でまとめています。
参考情報(2026年10月29日参照)
本記事は公開情報をもとにした一般的な情報で、法律相談ではありません。解約の期間は労働契約や労働協約によって異なる場合があります。個別のケースは、労働法の専門家にご相談ください。