ドイツに住むなら、最初に入っておきたい保険が個人賠償責任保険(Privathaftpflichtversicherung)です。自転車で人にぶつかった、借りている部屋の洗面台を壊した、友人の家でノートパソコンを落とした。こうした場面で相手に払う賠償を、保険が代わりに払ってくれます。

ドイツでは、自分の過失で他人に損害を与えた場合、賠償の額に上限がありません(民法 第823条)。消費者センターは、この保険を「すべての人に必須」と位置づけています(消費者センター)。

まず結論

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

保険必要度目安
個人賠償責任保険(Privathaftpflicht)ほぼ全員に必要補償額は少なくとも1,000万ユーロ。年50〜80ユーロ程度の契約もある
家財保険(Hausrat)家具や電化製品が多い人家財の実際の価値に合わせて補償額を決める
自動車保険(Kfz-Haftpflicht)車を持つ人は法律で義務車の保険の記事を参照
個人賠償責任保険はほぼ全員に必要で補償額は少なくとも1,000万ユーロ、家財保険は家財の価値が高い人に必要、自動車保険は車を持つ人の義務であることを3段階で示した図
図解:J-Connect。消費者センターとStiftung Warentestの資料に基づく(2026年10月29日参照)。

個人賠償責任保険

どんなときに使える?

  • 自転車や歩行中に人にけがをさせた
  • 借りている部屋の床や設備を傷つけた(契約によって補償の範囲が違う)
  • 他人の物を落として壊した
  • 子どもが友達の家の物を壊した(家族で入る契約の場合)

自分の物の損害や、わざと壊した場合は補償されません。

補償額は「少なくとも1,000万ユーロ」

消費者センターは、人へのけが・物の損害・それに伴う経済的な損害をまとめて、補償額を少なくとも1,000万ユーロにするよう勧めています。5,000万ユーロや1億ユーロの契約も、保険料はわずかしか変わらないとしています(消費者センター)。Stiftung Warentestも、同じく1,000万ユーロ以上を目安にし、自己負担(Selbstbeteiligung)のない契約を勧めています(test.de)。

選ぶときのチェックポイント

  1. 補償額:1,000万ユーロ以上か
  2. 自己負担:0ユーロか
  3. 借りている部屋の損害(Mietsachschäden):補償に入っているか、上限はいくらか
  4. 家族の範囲:配偶者や子どもも一緒に入れるか(単身用と家族用がある)
  5. 外国での補償:旅行中の事故も対象か

日本の保険との違い

日本では、個人賠償責任保険は火災保険やクレジットカードの特約として付いていることが多い保険です。ドイツに住む場合は、日本の特約がドイツでの生活に使えるとは限りません。駐在の人は、会社がまとめて入っている保険があるかどうかを、まず人事部に確認してください。

家財保険(Hausratversicherung)

家財保険は、火事、水漏れ、嵐、空き巣などで、自分の家具や電化製品、衣類が壊れたり盗まれたりしたときの保険です。

消費者センターは、補償額を家財の実際の価値に合わせることが大切だとしています。業界では住まいの広さ1平方メートルあたり650ユーロが目安とされることがあり、補償額が足りないと、損害の一部しか払われないことがあります(消費者センター)。

入ったほうがよい人

  • 家具付きではない部屋に住み、家具や電化製品を自分でそろえた人
  • 高価なパソコン、カメラ、自転車を持っている人
  • 1階や地下に物置(Keller)があり、空き巣や水の心配がある人

なくてもよいことがある人

  • 家具付きの部屋に短期間だけ住む人(家具は家主の保険の範囲のことが多い)
  • 持ち物が少ない人

申し込むときの流れ

  1. 比較サイトや保険会社のウェブサイトで、条件を比べる
  2. 住所(住民登録の住所)と生年月日を入力して申し込む
  3. 保険証券(Versicherungsschein)をPDFで保存する
  4. 事故があったら、写真を撮り、相手の名前と連絡先を控えて、すぐに保険会社に連絡する

多くの保険は1年契約で、自動で更新されます。解約のしかたは「ジムやスマホの契約、ドイツではどうやって解約する?」も参考にしてください。

事故が起きたときは、写真を撮る、相手の名前と連絡先を控える、保険会社に連絡する、修理の見積もりや領収書を保存する、という4つの手順を示した図
図解:J-Connect。消費者センターの資料などに基づく(2026年10月29日参照)。

参考情報(2026年10月29日参照)

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本記事は一般情報です。行政・税務・医療・保険などの条件は自治体、滞在資格、雇用状況、家族構成、申請時期により異なる場合があります。必ず公式窓口や専門家の最新情報を確認してください。