「ドイツの電車は時間どおりに来ない」。ドイツで暮らしていると、日本人どうしでも、ドイツの人どうしでも、よく聞く話です。駅の発車案内板に「+15」「+30」と遅れの分数が並ぶ光景は、たしかに珍しくありません。

このコラムでは、ドイツで鉄道を使う方や、旅行で長距離列車に乗る方に向けて、ドイツ鉄道(DB)が公表している数字をもとに、どれくらい遅れているのか、なぜ遅れるのか、そして遅れたときに運賃の一部が戻る「乗客の権利」を整理します。読み終えるころには、遅れを前提にした予定の立て方と、払い戻しの受け方が分かるはずです。

長距離列車の定時率は60.1%

ドイツ鉄道によると、2025年の長距離列車(ICEやICなど)の定時率は60.1%でした。前の年の62.5%から下がり、目標としていた65%以上には届きませんでした(ドイツ鉄道:2025年決算)。

一方、地域を走る普通列車や快速列車(RE、RBなど)の定時率は88.7%で、長距離列車よりずっと高い数字です(同上)。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

列車の種類(2025年)定時率前年
長距離列車(ICE・ICなど)60.1%62.5%
地域の列車88.7%90.3%

「定時」の基準は6分未満

ここで知っておきたいのが、「定時」の基準です。ドイツ鉄道は、予定の時刻からの遅れが6分未満であれば、その駅に「定時に着いた」と数えています。定時率は、途中の駅と終点の駅すべての停車のうち、定時だった停車の割合です(ドイツ鉄道:年次報告書)。

つまり「定時率60%」とは、長距離列車の停車の約4割で、6分以上の遅れがあったということです。1分の遅れでもニュースになる日本の感覚からすると、かなり大きな数字に感じられます。

ドイツ鉄道は、乗客の目線に近い「乗客の定時率」も公表しています。こちらは長距離バスや飛行機と同じく、15分未満の遅れを定時と数える数字で、2025年は65.5%でした(同上)。

2025年の長距離列車の定時率60.1%、地域の列車88.7%を比べ、定時の基準が予定から6分未満であることを示した図
図解:J-Connect。ドイツ鉄道の2025年決算と年次報告書に基づく(2026年10月27日参照)。

なぜ遅れるのか:古い線路と、増え続ける列車

ドイツ鉄道は、遅れの主な原因として、線路などの設備が古くなっていることと、列車の本数が増え続けていることを挙げています(ドイツ鉄道:2025年決算)。

半分近くの設備が「取り替えどき」

ドイツ鉄道によると、利用の多い区間では、運行や定時に関わる設備のほぼ2つに1つが取り替えの必要な状態で、故障しやすくなっています。2025年の定時率が下がったのも、工事の多さと、故障しやすい設備による影響が大きかったとしています(ドイツ鉄道:年次報告書)。

信号やポイント(線路の分かれ目)が1か所故障すると、その区間を通るすべての列車が止まったり、遅れたりします。

長距離列車ほど遅れやすい理由

長距離列車の定時率が地域の列車より低いのには、いくつかの理由があります。

  • 走る距離が長い:何百キロも走るあいだに、どこか1か所でトラブルがあれば遅れます。
  • 線路を共有している:長距離列車、地域の列車、貨物列車が同じ線路を走る区間が多く、1本の遅れが他の列車にも広がります。
  • 国境をまたぐ:オランダ、ベルギー、スイスなど、外国から乗り入れる列車もあります。

大規模な改修工事が進んでいる

こうした状況を変えるため、ドイツ鉄道は、特に利用の多い区間を数か月間まとめて止め、線路、信号、駅などを一度に新しくする「全面改修(Generalsanierung)」を進めています。

最初に全面改修されたのが、フランクフルトとマンハイムを結ぶ「リートバーン」です。5か月の工事を経て再開し、ドイツ鉄道によると、2025年の上半期には、設備が原因の遅れが前の年より60%減りました(ドイツ鉄道:リートバーン再開・ドイツ鉄道:上半期決算)。

その後も、ベルリンとハンブルクの間など、各地の区間で全面改修が続いています。NRWでは、ハーゲン〜ヴッパータール〜ケルン間も計画に入っています(同上)。工事の期間中は、代わりのバスが走ったり、遠回りのルートになったりするので、乗る前に必ず運行情報を確認しましょう。

遅れたら、お金が戻る:乗客の権利

ドイツで鉄道に乗るなら、ぜひ知っておきたいのが「乗客の権利(Fahrgastrechte)」です。EUの規則(2021/782)にもとづき、列車が大きく遅れた場合、運賃の一部が戻ってきます(ドイツ鉄道:乗客の権利・連邦交通省)。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

目的地への到着の遅れ戻ってくる金額(片道の乗車券の場合)
60分以上運賃の25%
120分以上運賃の50%

ポイントは、乗った列車ではなく、最終的な目的地に何分遅れて着いたかで決まることです。乗り継ぎに失敗して、予定より60分以上遅れて着いた場合も対象になります。

ただし、次のような決まりもあります(同上・連邦鉄道庁)。

  • 4ユーロ未満は払われない:戻ってくる金額が4ユーロに満たない場合は、払い戻しはありません。
  • 大きな自然災害などは対象外:鉄道会社の力の及ばない特別な事情(大きな自然災害など)による遅れは、払い戻しの対象になりません。ただし、ふつうの悪天候は特別な事情に含まれません。また、ドイツ鉄道は、ストライキは特別な事情には当たらないとしています。
  • 定期券などは別のルール:定期券やドイツチケット(Deutschlandticket)などは、遅れ1回あたりの決まった金額など、別のルールがあります。

払い戻しは、ドイツ鉄道のアプリやウェブサイトから申請できます。消費者センターも、申請の方法を詳しく紹介しています(消費者センター)。

目的地への到着が60分以上遅れたら運賃の25%、120分以上なら50%が戻り、4ユーロ未満は払われないことを示した図
図解:J-Connect。ドイツ鉄道、連邦交通省、連邦鉄道庁の資料に基づく(2026年10月27日参照)。

遅れを前提にした、上手な乗り方

  1. 大事な予定の前は、1本早い列車で:飛行機の乗り継ぎや面接、役所の予約など、遅れられない予定の前は、余裕を持って1本早い列車にしましょう。
  2. 乗り継ぎ時間は長めに:乗り換え時間が10分以下の乗り継ぎは、乗り遅れることがあります。予約のときに、乗り換え時間の長いルートを選ぶのも一つの方法です。
  3. アプリで最新情報を:ドイツ鉄道のアプリでは、遅れ、運休、ホームの変更がリアルタイムで表示されます。駅の案内板より早く情報が出ることもあります。
  4. 乗車券の「指定列車」に注意:割引運賃の乗車券は、決められた列車にしか乗れないのが基本です。ただし、遅れが見込まれる場合などには、ほかの列車に乗れることがあります。条件はドイツ鉄道の案内で確認してください。
  5. 払い戻しを忘れずに:60分以上遅れたら、その場でアプリから申請しておくと手間がかかりません。

鉄道の旅の基本は「ドイツの鉄道旅行ガイド」で、車で移動する場合の話は「アウトバーンは本当に速度無制限?」で紹介しています。遅れは困りものですが、仕組みを知っておけば、イライラを少し減らせます。窓の外の景色を楽しむ時間が少し長くなった、と考えるのも、ドイツの鉄道とつきあうコツかもしれません。

参考情報(2026年10月27日参照)

本記事は公開情報をもとにした一般的な情報です。払い戻しの条件は乗車券の種類や鉄道会社によって異なります。最新の情報は、ドイツ鉄道や各鉄道会社の案内でご確認ください。

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本記事は生成AIで作成した一般的なコラムです。感じ方や適切な行動は、本人の状況・健康・人間関係・行政手続きの内容によって異なります。重要な判断では公式窓口や専門家の個別情報も確認してください。