「ドイツではパン屋さんでカードが使えなかった」「レストランで『現金だけです』と言われた」。ドイツに来たばかりの人から、よく聞く話です。ドイツは長く、ヨーロッパの中でも特に現金がよく使われる国として知られてきました。

このコラムでは、ドイツで暮らし始めた方や旅行で訪れる方に向けて、ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行(Bundesbank)の調査をもとに、ドイツの人たちが実際にどう支払っているのか、なぜ現金が根強いのか、そしてここ数年でどう変わってきたのかを紹介します。読み終えるころには、財布に現金をどれくらい入れておけばよいか、イメージがつかめるはずです。

2025年、初めて「現金なし」が半分を超えた

ドイツ連邦銀行は、数年ごとに、人々が日々の買い物でどの支払い方法を使ったかを調べています。調査では、参加者に一定期間の支払いをすべて記録してもらい、全体の傾向をまとめます。

2025年の調査によると、記録された買い物のうち55%が現金以外の方法で支払われました。現金が使われたのは45%で、初めて現金を使わない支払いの方が多くなりました(ドイツ連邦銀行 2025年)。

2023年の調査では、現金の割合は51%でした(ドイツ連邦銀行 2023年)。わずか2年で、5ポイント以上下がったことになります。

それでも、支払い方法を一つずつ比べると、現金は今も件数で最もよく使われる方法です(ドイツ連邦銀行 2025年)。

この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。

支払い方法(2025年)件数の割合
現金45%
デビットカード(主にギロカード)26%
スマートフォンなどのモバイル決済10%
インターネットの決済サービス6%

金額で見ると、カードが1位

一方、支払った金額で見ると、順位は入れ替わります。2025年は、デビットカードが28%で1位、現金と銀行振込がそれぞれ23%でした(同上)。

つまり、ドイツの人たちは「小さな買い物は現金、大きな買い物はカード」という使い分けをしていることが分かります。パン屋さんで朝のパンを買う、キオスクで新聞を買う、といった数ユーロの支払いでは、今も現金がよく使われているのです。

2023年と2025年の支払い件数の割合を比べ、現金が51%から45%に下がり、モバイル決済が6%から10%に増えたことを示す図
図解:J-Connect。ドイツ連邦銀行「ドイツの支払い行動」2023年・2025年に基づく(2026年10月27日参照)。

スマートフォン決済が、変化を引っぱっている

この2年間の変化を引っぱっているのは、スマートフォンなどを使ったモバイル決済です。ドイツ連邦銀行によると、モバイル決済の割合は2023年の6%から、2025年には10%に増えました(ドイツ連邦銀行 2025年)。2021年から2023年にかけても、2%から6%へと3倍に増えています(ドイツ連邦銀行 2023年)。

お店の側でも、カードが使える場所は増えています。2023年の調査では、お店のレジで現金が使えたのは支払いの94%、現金以外で払えたのは81%で、現金以外で払える割合は2021年から20ポイント増えていました(同上)。

それでも現金が選ばれる理由

では、なぜドイツの人たちは現金を大切にするのでしょうか。ドイツ連邦銀行の調査からは、いくつかの理由が見えてきます。

  • 使いすぎを防げる:2023年の調査では、41%の人が「支出を把握しやすい」ことを現金の良さに挙げました(ドイツ連邦銀行 2023年 報告書)。財布の中身が減るのが目に見えるので、使いすぎに気づきやすいのです。
  • プライバシーが守られる:同じ調査で、63%の人がプライバシーの保護を現金の良さとして挙げています(同上)。何を、いつ、どこで買ったかの記録が残らないことを大切にする人は、ドイツでは少なくありません。
  • 停電やシステム障害にも強い:2025年4月のドイツ連邦銀行の月報では、停電やサイバー攻撃のときでも使えることが、現金の大切な役割として最も多く挙げられました(ドイツ連邦銀行 月報)。
  • 子どもがお金の使い方を学べる:同じ月報では、子どもが現金を通してお金の扱い方を学べることも、現金の良さとして挙げられています(同上)。
  • 習慣:スマートフォンの決済アプリを持っていても現金で払う人の多くは、「いつもそうしているから」という理由でした(ドイツ連邦銀行 2025年 報告書)。

ただし、「現金がいちばん好き」という人が多数派というわけでもありません。2023年の調査で、現金を最も好きな支払い方法に挙げた人は28%でした(ドイツ連邦銀行 2023年)。多くの人は、場面によって使い分けているのです。

現金が選ばれる理由として、支出の把握、プライバシー、停電や障害への強さ、子どものお金の学び、習慣の5つを示した図
図解:J-Connect。ドイツ連邦銀行の調査(2023年・2025年)と月報(2025年4月)に基づく(2026年10月27日参照)。

ドイツの「カード」は、主にデビットカード

ドイツで「カードで払う」と言うと、多くの場合、クレジットカードではなく、銀行口座から直接お金が引き落とされるデビットカードを指します。ドイツの銀行口座を開くと発行されることが多い「ギロカード(girocard)」が、その代表です。

日本ではクレジットカードが一般的ですが、ドイツでは、クレジットカードは使えないのにギロカードなら使える、というお店も少なくありません。逆に、日本で作ったクレジットカードしか持っていないと、小さなお店で困ることがあります。ドイツで銀行口座を作る手順は「ドイツで銀行口座を開く」で紹介しています。

現金はどこで引き出す?

ドイツ連邦銀行の2025年の調査によると、必要な現金の80%以上は、今も銀行の現金自動預け払い機(ATM)から引き出されています。一方で、スーパーなどのレジで、買い物のついでに現金を引き出せるサービスを使う人も増えています(ドイツ連邦銀行 2025年)。

ATMは、使う銀行によって手数料がかかることがあります。自分の銀行と提携しているATMを、あらかじめ調べておくと安心です。

暮らしで困らないためのコツ

  1. 財布に少しだけ現金を:パン屋さん、市場、小さなカフェ、クリスマスマーケットの屋台などでは、今も現金だけのお店があります。20〜50ユーロほど入れておくと安心です。
  2. 小銭も役立つ:駐車場の料金機、公衆トイレ、スーパーのショッピングカート(硬貨を入れて使う)など、硬貨が必要な場面があります。
  3. 入口の表示を見る:カードが使えるお店は、入口やレジにカードのマークが貼ってあることが多いです。
  4. 大きな紙幣は小さなお店で嫌がられることも:100ユーロ札や200ユーロ札は、少額の買い物では受け取ってもらえないことがあります。
  5. ギロカードかデビットカードを1枚:ドイツの銀行口座のデビットカードがあると、支払いの選択肢がぐっと広がります。

「ドイツは現金の国」というイメージは、少しずつ過去のものになりつつあります。それでも、朝のパン屋さんで小銭を渡すやりとりは、まだしばらくドイツの日常の風景として残りそうです。

参考情報(2026年10月27日参照)

本記事は公開情報をもとにした一般的な生活情報です。お店ごとの支払い方法や、銀行の手数料は異なります。最新の情報は、各お店や銀行でご確認ください。

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本記事は生成AIで作成した一般的なコラムです。感じ方や適切な行動は、本人の状況・健康・人間関係・行政手続きの内容によって異なります。重要な判断では公式窓口や専門家の個別情報も確認してください。