ドイツの学校は「成績1」が一番いい?|1〜6の成績の意味と、高校の「15点満点」
ドイツの学校の成績は、1が「とてもよい」、6が「不十分」。日本の5段階評価とは数字の向きが逆です。NRW州の学校法が定める6段階の意味、小学校1・2年生では成績を付けないこと、高校(ギムナジウム上級段階)の0〜15点の仕組み、成績表の読み方を紹介します。
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目次(6項目)
ドイツの学校に通う子どもが、テストを持って帰ってきて「1だった!」と喜んでいる。日本の感覚だと心配になりますが、ドイツでは「1」が一番よい成績です。
このコラムでは、ドイツで子どもを学校に通わせている方や、これから通わせる予定の方に向けて、ドイツの学校の成績の付け方を紹介します。1〜6の成績がそれぞれ何を意味するのか、小学校の低学年で成績がないこと、高校の上の学年で使われる「15点満点」の仕組みまで、デュッセルドルフやケルンがあるノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW)の決まりを例に整理します。
1が一番よく、6が一番悪い
ドイツの学校の成績は、1から6までの6段階です。数字が小さいほど成績がよく、日本の5段階評価(5が一番よい)とは数字の向きが逆になっています。
NRW州の学校法は、6つの成績の意味を次のように定めています(NRW州 学校法 第48条)。
この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。
| 成績 | ドイツ語 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | sehr gut(とてもよい) | 求められることに、特に優れた形でこたえている |
| 2 | gut(よい) | 求められることに、十分にこたえている |
| 3 | befriedigend(満足できる) | 求められることに、おおむねこたえている |
| 4 | ausreichend(足りている) | 不十分な点はあるが、全体としてはまだ求められることにこたえている |
| 5 | mangelhaft(不十分な点が多い) | 求められることにこたえていないが、基本的な知識はあり、近いうちに不足を補える |
| 6 | ungenügend(不十分) | 求められることにこたえておらず、基本的な知識も足りず、近いうちに不足を補えない |
覚えておきたいのは、4までが「合格ライン」だということです。5や6は「求められることにこたえていない」成績で、成績表に5や6が多いと、次の学年に進めない(留年する)理由になることがあります。
また、学校法は、生徒が理由なく課題を出さなかったり、テストを受けなかったりした場合は、成績6として扱うと定めています(同上)。
「1-」や「2+」とは?
テストの答案には、「1-」「2+」のように、プラスやマイナスが付いていることがあります。これは、同じ成績の中での細かい位置を示すものです。「2+」は「2の中でも1に近い」、「2-」は「2の中でも3に近い」という意味です。成績表(Zeugnis)に書かれる成績は、プラスやマイナスの付かない1〜6の数字になるのが一般的です。
成績は、テストだけで決まるわけではない
NRW州学校省によると、成績表の成績は、筆記のテスト(Klassenarbeit)だけでなく、授業中の発言や取り組み、宿題、小さなテスト、発表などの「その他の成績(Sonstige Mitarbeit)」もあわせて決まります(NRW州学校省:成績表の成績はどう決まる?)。
授業中に手を挙げて発言することが、成績に大きく影響することがあるのは、日本の学校との違いの一つです。子どもが「授業で発言するのが苦手」という場合は、先生との面談で、どのように評価されているかを聞いてみるとよいでしょう。
小学校1・2年生では、成績を付けない
NRW州の小学校(Grundschule)では、低学年のうちは数字の成績を付けません。
NRW州学校省によると、小学校の最初の2年間(入学期)は、成績を数字で付けずに評価します。成績表では、子どもの学びの様子や、それぞれの教科でどこまでできるようになったかを、文章などで伝えます。各学校の学校会議(Schulkonferenz)は、3年生まで数字の成績を付けないと決めることもできますが、遅くとも4年生の前期の成績表からは、教科ごとに数字の成績が付きます(NRW州学校省:小学校のAからZ)。
4年生の成績は、5年生からどの種類の中等学校(ギムナジウムなど)に進むかを考えるときの材料にもなります。
高校の上の学年は「15点満点」
ギムナジウムの上級段階(大学入学資格「アビトゥーア」を目指す最後の学年)になると、成績の付け方が変わります。1〜6の代わりに、0〜15点の点数が使われるのです。
常設各州文部大臣会議(KMK)の協定では、1〜6の成績と0〜15点は、次のように対応しています(KMK:ギムナジウム上級段階とアビトゥーアに関する協定)。
この表は横にスクロールできます。表にフォーカスした後、左右の矢印キーでも内容を確認できます。
| 成績 | 点数 |
|---|---|
| 1(とてもよい) | 15・14・13点 |
| 2(よい) | 12・11・10点 |
| 3(満足できる) | 9・8・7点 |
| 4(足りている) | 6・5・4点 |
| 5(不十分な点が多い) | 3・2・1点 |
| 6(不十分) | 0点 |
同じ成績の中の3つの点数は、プラス・ちょうど・マイナスにあたります。たとえば「2+」は12点、「2」は11点、「2-」は10点です。
アビトゥーアの最終的な成績は、上級段階での成績と卒業試験の点数を合計して計算され、「1.0」から「4.0」までの数字で表されます。ドイツの大学の一部の学部では、この数字が入学の選考に使われるため、生徒たちにとってはとても大切な数字です。
保護者が知っておきたいこと
- 数字の向きに注意:日本の感覚で「5」を見て喜ばないように。ドイツでは5は「不十分な点が多い」成績です。
- 州によって細かい決まりが違う:成績の基本は全国でほぼ同じですが、成績表の形や留年の決まりは州ごとに違います。この記事はNRW州の例です。
- 成績表は年に2回が基本:多くの学校では、学年の前期の終わり(1月〜2月ごろ)と学年末(夏休みの前)に成績表が渡されます。学校の休みの日程は「NRWの学校休暇2026/27年度」で確認できます。
- 気になることは早めに面談で:成績が下がってきたときは、先生との面談(Elternsprechtag など)で、どの教科のどの部分に課題があるかを聞いてみましょう。
小さな子どもの保育については「ドイツのKita・U3申込み」で紹介しています。「1が一番」と分かれば、子どもが持ち帰ったテストの数字を、一緒に喜べるようになるはずです。
参考情報(2026年10月29日参照)
本記事は公開情報をもとにした一般的な情報です。成績の付け方や進級の決まりは、州や学校の種類によって異なります。詳しくは、お子さんの学校にご確認ください。